介護による廃用症候群の予防とその対策とは?

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※2026年9月に最新情報へ見直し

高齢者の介護をする上で非常に大事なポイントは、廃用症候群の予防と対策です。廃用症候群になって良いことは一つもありません。介護を受ける方に心豊かな老後を送っていただくために、押さえておきたいポイントを整理しました。

長期介護で忍び寄る廃用症候群とは

廃用症候群とは、病気やケガなどで安静状態が続くことによって心身の機能が低下してしまった状態のことで、「生活不活発病」とも呼ばれます。筋力の低下は、実は発症・手術からわずか48時間以内に始まるとされ、安静が1週間続くと約10〜15%、3〜5週間続くと約50%もの筋力が失われるとの報告があります。心肺機能についても、安静が1週間続くだけで1.3〜2.5%程度低下するといわれ、寝たきりに近い状態が続くほど影響は全身に広がります。関節が固まる、心機能が低下する、誤嚥性肺炎の原因になるほか、うつ状態や見当識障害など、身体と心の両面に影響が出てしまう点も見逃せません。さらに、比較的若い人でも1週間の安静で失った機能を取り戻すには1ヶ月以上かかることがあり、高齢者の場合は回復までの期間がより長引きやすいとされています。

廃用症候群の前兆と予防について

廃用症候群の前兆としてよく挙げられるのが、筋肉の減少と骨量の減少です。筋肉が減少してくると、次のような症状として現れます。

・歩く速度が遅くなった

・ちょっとした段差でつまずいたり、階段の昇り降りが以前より辛くなったりと、足の筋力の衰えが顕著

・足の筋肉、特にふくらはぎの下腿三頭筋が細くなった

・BMI値が低い

骨量が減少すると骨粗しょう症のリスクも高まります。これらのサインを放置すると廃用症候群を招きやすくなるため、しっかり予防することが大切です。ポイントは、できることは本人にやってもらい、過剰な介護をしないことです。介護を受ける方が一つの動作をやり遂げるのを待つのは、介護する側にとってはじれったく感じられるかもしれませんが、何でもこちらでやってしまうと動く機会を奪ってしまい、廃用症候群になる可能性を高めてしまいます。杖で歩けるのに「大変だろうから」と車椅子で移動させるなど、動きを制限してしまう行為も廃用症候群の大きな原因になるため、介護する側は十分注意しましょう。

栄養管理も予防のカギ

運動機能の維持だけでなく、低栄養の予防も廃用症候群対策には欠かせません。低栄養状態が重なると、筋力や筋肉量の低下がさらに加速し、回復も遅くなることが分かっています。たんぱく質を中心に、本人の嚥下機能に合わせた食事内容を心がけ、動くための「体力の材料」をきちんと補給することが、リハビリの効果を高めることにもつながります。

廃用症候群になった場合の対処とは

すでに廃用症候群の兆候が出ている場合も、基本は同じです。過剰な介護はせず、身の回りの動作はできるだけ自分でやってもらいましょう。家事や趣味など、その人が好きなことを日常に取り入れるのもおすすめです。好きなことには自然と夢中になって身体を動かすもので、それは高齢者も同じです。自分から動く機会が増えることで、廃用症候群の改善にもつながります。もちろん、専門家によるリハビリや歩く機会をつくることも重要です。可能な限り早期にリハビリテーションを開始できれば、廃用症候群は予防・改善が期待できるとされています。外に出て気分転換すれば太陽の光を浴びられるので、うつ状態などの改善にも効果が期待できます。介護を受ける側のやる気を引き出すことも大切なポイントです。

まとめ

廃用症候群とは、安静状態が長く続くことで心身の機能が低下してしまう状態です。筋力低下はわずか48時間で始まり、1週間で1〜1.5割、3〜5週間で約半分にまで進むこともあると分かっています。前兆は筋肉の減少と骨量の減少で、対処として大事なのは、介護を受ける方が好きなことを取り入れ、やる気を引き出しながら自分で動く機会を多く作ること、そして栄養管理を怠らないことです。介護をする側としても、廃用症候群を予防し、豊かな老後を送ってもらいたいですね。

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