※2026年9月に最新情報へ見直しました。

自律神経失調症という言葉をご存知でしょうか? 暖房の効いた部屋にいるのに顔だけ熱くなり手足の指は冷えている、手足がしびれる、夜中に何度も目が覚めてしまう……といったちょっとした体の変化から始まり、高血圧や不整脈、不眠といった症状に発展し、放置すると生活の質を大きく下げてしまうこともある不調です。そうならないために、どう向き合い、改善していけばよいのかを紹介します。
◆「自律神経失調症」は正式な病名ではありません
まず知っておきたいのは、「自律神経失調症」は医学的な正式病名ではないということです。日本心身医学会では、これを「種々の自律神経系の不定愁訴があり、臨床検査では器質的な病変が認められず、かつ顕著な精神障害もみられないもの」に対して使われる、いわば暫定的な症状名として位置づけています。検査をしても体に異常が見つからないのに不調が続く場合に使われることが多く、詳しく調べると軽度のうつ病や不安障害など、別の診断名がつくケースもあります。動悸・めまい・倦怠感などの症状が複数続く場合は、まず内科で体の病気がないか確認したうえで、心療内科や精神科への相談も選択肢に入れるとよいでしょう。
◆方法は症状や原因によって変わっていく
自律神経の乱れには、日頃のストレスが大きく関係しています。
例えば、自律神経の乱れが起こりやすいとされる働き方の一つに、夜勤・交代制勤務があります。看護師の夜勤・交代制勤務に関する研究では、勤務スケジュールのずれによって生体リズム(体内時計)が乱れ、夜勤中の仮眠時に交感神経が優位になりやすいことや、それに伴い睡眠の質が低下しやすいことが報告されています。看護の現場では、こうした勤務形態のストレスに加え、命に関わる現場での緊張感、同僚・患者双方との人間関係構築など、複数のストレス要因が重なりやすいと指摘されています。
ここに挙げたのは一例ですが、大きく複数のストレス要因が絡んでいることが分かります。
プライベートでの悩みごとも合わさり、様々なストレスが積み重なることで体のバランスが乱れ、自律神経の不調として現れてくるのです。
このように自律神経の乱れは複数の原因が絡み合っているケースが多いため、症状や原因に合わせて、体と心の両方から働きかけ、生活環境を見直しながら改善していく必要があります。
◆今、原因となっているストレスがわかりますか
夜更かし、職場や近所の人間関係、更年期など、私たちは日頃からさまざまなストレスに直面しています。
そうした生活を続けていると、自律神経の不調は悪化しやすくなります。
まずは自分の生活習慣と向き合うことが、改善への第一歩です。
また、原因は一つとは限らず、複数が絡み合っていることも多いものです。
身近な人に理解者を見つけて話を聞いてもらったり、時には専門家によるカウンセリングを受けて自分のストレスと向き合い、何が不調のきっかけになっているのかを整理してみることも大切です。
それによって、自分にとってどんな対策が合っているのかが見えてきます。
◆規則正しい食事と適度な運動
自律神経の不調を改善するために、転職や引っ越しなど大きく環境を変えるのは簡単ではありません。まずは食生活と運動の習慣づくりから始めましょう。
たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、発酵食品をしっかり摂ることは体調管理の基本であり、野菜や果物を意識して摂るように心がけましょう。
例えば、普段の食事にお味噌汁やサラダを加えたり、デザートに果物を取り入れたりするだけでも変化があります。
1日3食を基本に、ファストフードやジャンクフードに偏りすぎず、バランスよく食べるようにしましょう。
次に運動です。
自律神経の不調には有酸素運動が良いとされており、無理のない範囲で続けることで症状の改善が期待できます。
目安は1日20〜30分程度です。
朝に日光を浴びることは体内時計を整えるうえで大事な役割を果たすとされているので、できれば午前中に屋外で体を動かすとよいでしょう。
大事なのは頑張りすぎないこと、そして無理なく継続することです。
◆こんな食事も試してみて
お酢、レモン、唐辛子、わさび、梅干しなども、好みに応じて適度に取り入れてみるのもよいでしょう。
酸味・辛味・苦味は昔から「気分転換になる味」として親しまれており、食事の満足感やリラックスにつながると感じる人も多いようです。ただし、これらの味覚刺激が自律神経に直接作用するという確立した医学的なメカニズムがあるわけではなく、あくまで食事を楽しむ工夫の一つとして捉えてください。胃腸への刺激が強い食品でもあるため、取りすぎには注意しましょう。
◆症状が長引く・強いときは、一人で抱え込まないで
生活習慣の見直しで改善が見られない、動悸や強い不安、眠れない日が続くなど、症状がつらい場合は自己判断で我慢を続けず、心療内科や心療内科的な診療を行うクリニックに相談してください。すでに他の病気の治療中の方は、自己判断で治療方針を変えず主治医に相談しましょう。つらいときは「よりそいホットライン」(0120-279-338、24時間無料・通話無料)のような相談窓口も利用できます。

