痛風の原因と前兆、コーヒーやお菓子との付き合い方まとめ

健康

風が吹いただけでも痛いことから名がついたと言われる痛風。発作が起きる前の前兆、原因、そして食事での付き合い方(コーヒー・お菓子)まで、この記事で1本にまとめました。治療そのものは医師の指示が基本です。この記事は、日々の食事や生活を考えるときの参考にしてください。

痛風の原因

痛風の原因は尿酸値の上昇(高尿酸血症)です。尿酸は、食事から摂るプリン体が体内で分解されてできるほか、体内でも日々作られています。尿酸の量はおよそ1gで保たれ、毎日0.6g程度が入れ替わっているとされます。このバランスが崩れて尿酸値が上がると、尿酸が結晶になって関節にたまり、強い痛みと腫れを引き起こします。

プリン体は、肉や魚介類に多く含まれます。尿酸値を上げる要因には、ほかに激しい無酸素運動、ストレス、大きな外傷ややけどなどもあります。

発作の前兆

痛風発作は突然起こると言われますが、前兆を感じる人もいます。よく言われるのは「ズキズキする」「足が重い」「足に違和感がある」といった感覚で、その後、患部が腫れて激しい痛みのピークを迎えます。初めての発作では気づかないことも多く、繰り返すうちに前兆を自分で察知できるようになる人もいます。

「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」(日本痛風・尿酸核酸学会、第3版2022年追補版)では、前兆の時期にコルヒチンという薬を頓服することで発作を抑えられる可能性があるとされています。発作を繰り返している人は、あらかじめ医師に相談し、前兆を感じたときに備えておく方法が案内されています。

生活習慣の基本

  • プリン体: 摂取量は1日400mgを超えないことが目安とされます。動物の内臓(レバーなど)や、白子・干物などの一部の魚介類に多く含まれます。
  • お酒: 特にビールに注意が必要ですが、アルコール自体が尿酸の産生を高め、排泄を妨げるとされるため、種類を問わず飲みすぎに注意します。
  • 尿をアルカリ性に近づける食品: 尿酸はアルカリ性の尿に溶けやすい性質があります。海藻や野菜を積極的に取り入れましょう。
  • 水分: こまめに水分を摂って尿量を増やすことが、尿酸を排出するうえで基本の対策です。
  • 運動: 適度な有酸素運動が基本です。激しい無酸素運動は尿酸値を上げる要因になります。

自己判断で薬をやめたり、生活改善だけで済ませたりせず、定期的に尿酸値を検査して、医師の指示のもとで治療を続けることが大切です。

コーヒーと痛風

コーヒーに含まれるクロロゲン酸やカフェインが、痛風の予防に関わる可能性を示す研究があります。

  • 米国の研究者Choiらが2007年に発表した研究(男性45,869人を12年間追跡した前向きコホート研究)では、1日6杯以上コーヒーを飲む人は、まったく飲まない人に比べて痛風の発症リスクが約59%低く、1日4〜5杯でも4割前後低かったと報告されています。
  • 近年の遺伝統計学的な解析(メンデルランダム化解析)でも、コーヒーが尿酸値の低下とは別の経路で痛風リスクを下げている可能性が示唆されています。クロロゲン酸などのポリフェノールによる抗炎症作用が関係していると考えられています。

ただし、これらは観察研究で見られた関連です。すでに痛風と診断された方が、通院や服薬をやめる理由にはなりません。

飲む量は、1日3〜5杯程度が多くの研究で目安とされる範囲です。摂りすぎると、不眠、動悸、気分の不調など、カフェインの過剰摂取につながります。妊娠中の方や、心疾患・不整脈などでカフェインを制限されている方は、医師の指示に従ってください。甘みをつけるなら、白砂糖より黒糖やきび砂糖を少量にし、ミルクを加える場合は低脂肪乳や豆乳にすると脂質を抑えられます。

お菓子の選び方

痛風というと「お菓子は絶対ダメ」と思われがちですが、ポイントを守れば、まったく食べられないわけではありません。

控えたいもの:果糖・糖分の多いお菓子

肥満の予防は痛風対策に大切で、特に注意したいのが果糖です。果糖は肝臓で代謝される過程でプリン体の分解が進み、尿酸の生成量が増えます。さらに、代謝で生じる乳酸が腎臓での尿酸の排泄を妨げるため、尿酸値を上げる二重の要因になるとされます。約7万9千人の女性を22年間追跡した海外の研究では、加糖の炭酸飲料を1日1杯飲む人は飲まない人より痛風リスクが約74%高く、1日2杯以上では約2.4倍だったとも報告されています。ケーキなどのデザート類や、果糖ブドウ糖液糖を多く含む清涼飲料水が代表的です。

選びたいもの

  • 甘さ控えめで酸味のある果物(レモン、スイカ、梨、レーズン、梅、パイナップルなど)を適量
  • 黒糖を少量(白糖よりカリウムやカルシウムなどのミネラルが多い)
  • カリカリ梅、酢昆布(梅干しや昆布はアルカリ性食品として知られています)
  • アーモンド、かぼちゃの種、ひまわりの種、カシューナッツなどのナッツ類。ただしカロリーが高いので食べすぎに注意

なお、食品の「酸性・アルカリ性」は、食品のpHではなく含まれるミネラルの種類による分類です。血液のpHが食事で変わるわけではなく、影響するのは尿のpHである点を理解しておきましょう。すべてを我慢するとストレスで反動が出ることもあるため、「1週間がんばったら好きなものを少量楽しむ日をつくる」といった余裕も大切です。

まとめ

  • 痛風の原因は尿酸値の上昇で、前兆(足の違和感や重さ)を感じたら早めに医師へ相談する。
  • プリン体、アルコール、果糖・加糖飲料を控えめにし、水分、海藻、野菜を意識する。
  • コーヒーは予防との関連が研究されているが、治療の代わりにはならない。
  • 食事の工夫と合わせて、定期的な尿酸値の検査と、かかりつけ医の指示による治療を続ける。
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