熱中症の予防・初期症状・頭痛・対処法と受診の目安まとめ

健康

レジャーやイベントの多い夏に、気をつけたいのが熱中症です。重症化すると命に関わりますが、初期に気づいて対処すれば防げます。この記事では、予防の方法、初期症状と重症度、頭痛が出たときの考え方、なったときの対処法と受診の目安を1本にまとめました。環境省「熱中症環境保健マニュアル」や日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」などの内容に沿っています。

熱中症になりやすい条件と暑さ指数(WBGT)

熱中症は気温だけでなく、湿度や日差しの強さのバランスで起こりやすくなります。気温だけで見ると、31度以上が「危険」、28度以上でも「警戒」の目安とされ、30度に満たなくても油断はできません。人は汗が蒸発するときの気化熱で体温を下げますが、湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体温が下がりにくくなるためです。

現在は、気温・湿度・輻射熱(日差しなどの熱)を組み合わせた「暑さ指数(WBGT)」が、危険度の判断に広く使われています。環境省は、暑さ指数が高くなる日に「熱中症警戒アラート」(2021年から全国運用)、特に危険な場合に「熱中症特別警戒アラート」(2024年運用開始)を発表します。お住まいの地域の状況は環境省の熱中症予防情報サイトで確認できるので、外出前にチェックする習慣をつけましょう。アラートが出ている日は、外出や運動を控えめにします。

自分でできる予防

日差し・日陰の工夫

  • 通気性の良い帽子をかぶる。帽子の後ろにハンカチを縫いつけると、首の後ろにも日陰ができる。
  • 長時間屋外にいるときは、こまめに日陰で休憩する。移動もできるだけ日陰を選ぶ。
  • 日陰がない場所では、白っぽい服を着ると熱がこもりにくい。
  • 気温が高い場所に日よけなしで長時間いる、汗をかいているのに水分を摂らない、休憩せず動き続ける、といった状況は危険。

水分と塩分の補給

大量に汗をかくと、水分と一緒に塩分も失われます。水分だけを補給すると、体内の塩分濃度がさらに薄まり、かえってリスクが高まることがあります。スポーツドリンク、経口補水液、塩飴、塩タブレットなどで塩分も一緒に補給しましょう。外出時は水分と塩分補給のアイテムを携帯し、汗をかいたと感じたタイミングで意識して補給します。腎臓疾患や高血圧などで塩分・水分の制限がある方は、自己判断で量を増やさず、事前に主治医に相談してください。

初期症状と重症度

熱中症は、重症度によってⅠ度(軽症)、Ⅱ度(中等症)、Ⅲ度(重症)に分けられます(2024年のガイドラインで、さらに重いⅣ度も追加されました)。

  • Ⅰ度(軽症): めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の汗、手足や腹筋がつる(こむら返り)。意識障害はない。
  • Ⅱ度(中等症): 頭痛、嘔吐、倦怠感、集中力や判断力の低下。
  • Ⅲ度以上(重症): 意識障害、けいれん、肝機能・腎機能の障害など。呼びかけへの反応がおかしい、まっすぐ歩けない、意識がもうろうとするのはこの段階のサインです。

頭痛は「軽症」ではない

熱中症の頭痛は、体の中でも次のようなしくみで起こります。高温多湿の環境で体を動かし続けると体温が上がり、自律神経が体温を下げようと末梢の血管を広げます。皮膚へ流れる血液が増える分、心臓に戻る血液が減り、脳へ流れる血液も減るため、めまいや頭痛が起きやすくなります。

前述のとおり、頭痛が出ている時点で、すでにⅡ度(中等症)に分類され、医療機関での診察が推奨される段階です。「頭痛くらいなら家で様子を見ればいい」と考えるのは危険です。

熱中症になったときの対処法

  1. 涼しい場所へ移動する: エアコンの効いた室内や車内へ。近くになければ日陰で横になり、衣服をゆるめて安静にします。
  2. 体を冷やす: 首の両脇、わきの下、脚の付け根など太い血管が通る部分を、保冷剤や氷のうで冷やします。可能なら肌に水をかけ、うちわや扇風機で強くあおぐと、より早く体温が下がります。重症が疑われる場合は、冷たい水に体を浸ける方法が最も効果的です。
  3. 水分と塩分を補給する: 経口補水液(OS-1、アクアソリタなど)が最適で、スポーツドリンクでも構いません。手元にない場合は、0.1〜0.2%程度の食塩水(水1リットルに塩1〜2g程度)でも代用できます。塩飴、タブレット、梅干しなども役立ちます。
  4. 受診・救急要請の判断をする。

反応が鈍い、応答がおかしい、自力で座って飲めない場合は、無理に飲ませないでください。誤って気道に入る危険があります。その場合は体を冷やしながら、すぐに119番通報します。

受診・救急要請の目安

  • 頭痛に続いて嘔吐がある(口からの補給が難しいため、点滴が受けられる医療機関へ)
  • 水分を自力で摂れない
  • 意識がはっきりしない、呼びかけへの反応が薄い、けいれんがある
  • 体温が高いのに汗が出ていない
  • 休んでも症状が改善しない

いずれかに当てはまるときは、ためらわず救急車を呼びましょう。

まとめ

  • 気温だけでなく、湿度と暑さ指数(WBGT)、熱中症警戒アラートを外出前に確認する。
  • 日陰をつくり、水分だけでなく塩分も補給する。
  • めまいや立ちくらみはⅠ度、頭痛や吐き気はⅡ度。早めに涼しい場所で体を冷やす。
  • 意識がおかしい、飲めない、嘔吐が続くときは、迷わず119番や医療機関へ。
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